タコカバウータン

えらそうなことを言っていても気が小さいです。褒められて伸びるタイプです。

『我関わる、ゆえに我あり』松井孝典

 我関わる、ゆえに我あり ―地球システム論と文明 (集英社新書)

今月の塾の課題です。

提出したものは↓

 

チリ、アクタ、だもの

 

  物心ついた頃から、死ぬのが、自分が消えてなくなってしまうのが、怖くてたまらなかった。だから、宇宙とか壮大な話は苦手だ。自分の存在のちっぽけさが、ぐいぐい胸に迫って、宇宙に比べたら、私らなんぞ塵芥、死んだら消滅、はい、それまで。怖いよ、心臓がきゅーんと縮んでいくよ。天文学者がなぜ日々心平らかに生きていけるのか、私には謎だ。が、一方、私は寝るのが大好きで、睡眠最高!寝不足大敵! そんなに寝てるのが好きなら、別に死んでてもいいんじゃないか、私、とふと思ったりもする。

 デカルトのもじりがちょとサブい『我関わる、ゆえに我あり』の著者、松井孝典天文学者ならぬ地球物理学者だが、もちろん話の壮大さではちっとも負けていないので、予想通り私は怖い思いをした。太陽みたいなもんが2000億個くらいあるのが銀河系で、宇宙には〝何千億と推定される数の別の銀河がある〟、〝宇宙の年齢は、標準数値で137億年〟って話がでかすぎて、頭クラクラ。

 こんな宇宙に比べれば、地球だって塵芥感が出てしまうわけだが、そこに異常にのさばる悪が我ら人間。(〝善悪で論じたら我々の存在そのものが悪〟とすぱっと言い切ってしまうのが素敵だ。)〝地球システムにおける物質・エネルギー循環を早送りし、時間を先食いすることによって豊かさを手にした〟まではよかったが、先食いのつけが来ちゃってますね、確かに。で、松井氏は主張する。〝原子力エネルギー分の駆動力を、別のエネルギーで補おうとすることは、人間圏を震災前の元の状態に戻すということ〟。もはや右肩上がりはあり得ないのだから、それではダメで、そうですね、どうすればいいんですかね、と期待していると、〝地球システムと調和した(中略)新たな文明の創造〟って、だから、その新たな文明の内実がいちばん知りたいとこなのに、これじゃただのスローガンだよ。

〝文明の誕生と発展が、我々の認識の時空を拡大し、宇宙における観測者として、その宇宙が存在することに意味をもたらすことになった〟ってずいぶんえらそうだけど、宇宙、意味とか気にしてねえよ、と思ってしまうのは、チリ、アクタ感充満の私だけでしょうか。

 

 怖いとか言いながら、ほぼ全否定の批判じゃないかい、と先生のコメント。いやはや、おもしろかったとこもあったし、〝素敵〟も言ってるんですけど(皮肉に聞こえると言われた(;_;)……)、ええっ、ここまで引っ張ってきてそんな結論?感と、俺様が意味をもたらしてやったといばるオヤジ感が大きかったのも確かで、うむ、でも、確かにもちょっと褒めるべきところを褒めたほうがバランスよかったねえ。全否定のつもりはなかったからねぇ。反省。

 

この手の学者のあいだでは、このまま何の手も打たないでいると、あと35年から50年で地球は滅びると言われているらしいです。思わず「じゃ、地球滅亡見られるかも」とつぶやいた私は、隣のNさんに「見たいか?」と突っ込まれました。