我が家のお正月飾りなど。写真暗っ。鏡餅の蜜柑が変なのは、私がティッシュで作った偽物だから。
やっとこさ、毎年恒例のやつを。
- 『マシアス・ギリの失脚』池澤夏樹
- 『アンダーグラウンド』村上春樹
- 『教誨師』堀川恵子
- 『映画の構造分析』内田樹
- 『海辺のカフカ』村上春樹
- 『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹
- 『紀ノ川』有吉佐和子
- 『富士日記』武田百合子
- 『きれいな風貌』黒川創
- 『一神教と国家 イスラム教、キリスト教、ユダヤ教』内田樹 中田考
番外
“Save The Cat ! Goes To The Movies” Blake Snyder
『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 ──SAVE THE CATの法則を使いたおす!』
『東京プリズン』赤坂真理
2014年は冊数はけっこう読んでいるのだけれど
いざ選ぶとなると、正直不作というか
心を鷲掴まれ感がっつりが少なかったような……
薄味め?
1.『マシアス・ギリの失脚』池澤夏樹
そんなにたくさん池澤夏樹を読んでいるわけではないのだけれども、そんな中、これは『花を運ぶ妹』に次いで好きな作品。
地下鉄サリン事件当時の日本人像の記録としても貴重だと思う。日々、黙々とまじめに働く人たちを襲ったテロ。
3.『教誨師』堀川恵子
またしてもの労作。堀川さんの本は全部読まないといけない気がする。
4.『映画の構造分析』内田樹
冴え渡る分析力。取り上げられている映画をもう一度観てから、再読必至。
例によって〜、例によって〜。途中まではもうめちゃくちゃおもしろくて、止まらない〜。それからまたセックス多発で、最後は伏線とっちらかしたままとっとと終わる。これはすでに芸風なのか。へんな比喩、どすけべ、とっちらかし。でも、少なくとも3分の2まではノン・ストップ超特急ですよってに、読んでまいますねん。ちなみに、これで村上春樹の全長編読破。
6.『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹
短編集になると、長編の〝大風呂敷広げるだけ広げてほったらかしかい!〟感がなくて、阪神淡路大震災がベースにあるこの作品集、私はかなり好きでした。しかし、全長編読破で、ベスト10に3つ入っていて、それでも村上春樹ファンです、とは言いたくない私、とは?
7.『紀ノ川』有吉佐和子
前々からおもしろいのかなあ、とは思っていたけれど、実際読んでみたらとってもおろしろかった有吉佐和子。確か26歳でこれ書いてるんだよね。なんたる成熟。なのに晩年のあの感じ。うーむ。とにかくもっと読もう。ザ・小説ですわ。
少しづつ大事に読んできて、ついに下巻を読み終わってしまった。読み始めの頃は、なんだよ、ほんとに普通のことしか書いてないじゃん、ほぼメモじゃん、大作家の嫁なだけじゃん、と思っていたのが嘘のような、武田百合子♡
9.『きれいな風貌』黒川創
西村伊作という、才能豊かな大金持ちの幸福な一生。決してお金に飽かせて、ばかりじゃないのが素敵。それと新宮という文化圏にも惹かれます。これは『紀ノ川』にもつながるのだけれど。三重県熊野市出身の友人がいて、その子が大学時代に「新宮で中上健次のお兄さんがスポーツ用品店をやっていて、中上健次とそっくり」と言っていたことから、私の新宮のイメージというのはYMOの『増殖』↓
的に中上健次顔の人がわさわさいる、というもので
ま、完全に妄想なわけなんだけど、
それを伊作グループが一掃してくださったんで
新宮、一度行ってみたいです。
和歌山だと海にも潜れるな〜♪
10.『一神教と国家 イスラム教、キリスト教、ユダヤ教』内田樹 中田考
なんだかタイムリーな選書になってしまったけれども、イスラムとの協調を考えずには今後の世界はないわけだし、あとイスラム教って資本主義/グローバリズムへの対抗手段になり得る一面もあるわけで、勉強の第一歩。
番外
夢枕獏は名前からしてもうイヤなわけですけど、マンガはなかなかにおもしろくて、12巻くらいまでつらつらと読みました。
☆“Save The Cat ! Goes To The Movies” Blake Snyder
『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 ──SAVE THE CATの法則を使いたおす!』
拙訳でございます。おかげで50本も映画を観たわ。映画ガイドとしても、なかなかおもしろいのですよ。
☆『東京プリズン』赤坂真理
2FDOさんには叱られそうだけれど、私はこの本を天皇制肯定本とは読みませんでした。それこそ全身小説家として、天皇制やら戦争責任やらと肉弾戦を繰り広げていると思います。脇はすかすか甘かったりもするけれど。天皇制を考えるのに小説内とはいえ天皇とセックスしたのはこの人だけじゃないだろか。
きゃー、抱きしめたいっ、というほど好きな本には出会えなかった感の2014年。
なんとはなしに、村上春樹全長編小説読破は達成してしまった。もっと好きな作家がいっぱいいるだろに。
てなわけで、2015年にどんな本と出会えるかは、ま、運任せですけれども、とにかく漱石&荷風(もらいもの)、須賀敦子&幸田文(こつこつ買い揃えた)と未読全集を抱える身。ずるずる読まないでいると一生読めそうもないので、今年は須賀敦子全集読破宣言! しかし、幸田文さんは50を過ぎてから作家になって、なんで全集30巻もあるんだ〜、ロックンロール・ショー!