亡くなってひと月がたって、思い切って携帯電話の解約に行く路地で
そうだと思いついて私の電話からかけてみる。
知らない曲が着信曲（? っていうのかな）。
特に私用の曲じゃなく、みんな同じみたい。不満だ。
解約はスムーズに終わる。
これから電話機本体の分割料金だけ支払っていくことになる。
ふたり一緒に買い換えたのは２月だったか。
バリに行く前に換えたのだ。
まだまだ長〜い分割。
帰り道、あ、彼のほうからもかけておけばよかったと気づく。
もう取り返しがつかない。
彼専用の着信曲は〝ジギー・スターダスト〟本人が選んだ。
私の電話でいちばん鳴った曲。
でも、もう鳴らない。
帰って、調べてみると彼が着信に選んでいた曲は The Rover
ツェッペリンの曲だった。
ちょとシブいとこだね。
私ツェッペリン、１枚しか持ってなかったもんな。
ひとつひとつ 君を手放していく 初秋
