タコカバウータン

えらそうなことを言っていても気が小さいです。褒められて伸びるタイプです。

OUTSIDER IN THE WHITE HOUSE  バーニー・サンダース自伝

Outsider in the White House

 

塾の課題です。英語で読んだら提出ビリになってしまいました ( ̄ー ̄;

 

バーニーに会いたい!

 やあ、素直な感動に包まれる読書でした。ごっつあんです。バーニーが好きだぁぁぁぁぁぁぁあ♡

 昨年来、基本英語の本は英語で読もう(ハハハ、時間かかる)方針を採用しており、今回の課題『バーニー・サンダース自伝』も勝手ながら原書の“OUTSIDER IN THE WHITE HOUSE”2015 Bernie Sanders with Huck Gutmanで読みました。ハハハ、時間かかりました。しかも、Kindle版が翻訳より200円ほどしか安くない。ブーブー。でもこっちは生バーニーだっ! 元々は1996年の下院選挙戦を軸にそれまでのバーニーの政治家人生を振り返った本の〝大統領候補になっちゃったぜ増補版〟なので、原書の表紙は元の本のタイトル“OUTSIDER IN THE HOUSE”(HOUSEは下院を意味する)のTHEとHOUSEのあいだに白ペンキで手書き風にWHITEを加えるという、なかなかおちゃめな作りになっています。

 最初に弱小左派政党から選挙に出た頃は、得票率1%とか2%の絵に描いたような泡沫候補だったバーニーが、1980年のヴァーモント州バーリントン市長選で、前回の得票率がわずか6%だったにもかかわらず見事当選し、89年まで市長を務めたのち、1990年の下院選挙で当選、下院唯一の二大政党に属さない独立系議員として活躍するという、これまた絵に描いたようなシンデレラ(ボーイ)・ストーリーなのだけれど、これが血沸き肉踊る。なんでこんなにわくわくするのでしょうね。正義が勝つからか。

 バーニーは一貫して社会的弱者(低所得者、老人、子供、女性、性的マイノリティー、個人経営農民、労働者階級、退役軍人などなど)の利益のために戦いまする。誰もがまっとうに生きられる社会をつくるために、まっとうな累進課税システムを確立し、投票率をアップさせ、民主主義教育を徹底し、選挙資金制度を改革して金で票を買えるような状況をなくし、大企業が牛耳るメディアをもっと開かれたものにします。環境保護にも力を入れます。もちろん国民皆保険制度は必須です。となんかもういちいち言うことは正しいわけですが、特に目新しいことは何もない。政治の現場で時にはしたたかに〝最善〟の道を選ぶけれど、とにかくしごくまっとうな〝正義〟を、めげずにしつこく主張し続けるのです。あー、こんなんで勝てるんだ、こんなまっとうなやり方でいいんだと、ま、いいんだっつってもこんな議員はアメリカ合衆国にひとりしかいないわけだから、そうそう安心してもいられないけれども、目から鱗っていうのでしょうか。バーニーにギミックなし。愚直バーニー王道左翼で人気者。

 本書で印象的だったのが、泡沫候補時代にバーニーが繰り返し言われたという、<あなたの言うことにはまったく賛成なんだけど、弱小政党に入れて自分の一票を無駄にしたくない>という言葉でした。あ〜この前の都知事選を思い出す。リベラルが小賢しい計算で知名度の高い(内容空疎の)候補をまつり上げ、地道な活動を続けてきた人の立候補を取り下げさせて、勝とうとしたあの選挙。勝つためにはそれしかないのかなと思ってしまったあの選挙。そういう投票行動が未来のバーニーの芽を摘むことになるのかもしれません。

 日本にバーニーを誕生させるにはどうすればいいのか、ご本人に訊きに行きたいなあ。なんかヴァーモントへ行ったら会ってくれそうだし。批評塾大人の遠足、バーニーに会いに行こう!

 

 ベタにビバ!バーニーですみません。でも、勇気が出るバーニー。ヴァーモントの集会などに出かけていけば、本当に会えそうなバーニー。すれ違うと見過ごしそうになバーニー。私が会いに行くまで長生きしてね、バーニー♡