タコカバウータン

えらそうなことを言っていても気が小さいです。褒められて伸びるタイプです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

阿武隈共和国独立宣言 村雲司

阿武隈共和国独立宣言 作者:村雲 司 現代書館 Amazon これは↓で紹介されていて読んだのだけれど この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた (河出新書) 作者:高橋源一郎,斎藤美奈子 河出書房新社 Amazon まさか読んで腹が立つとは。その勢いで…

ミシンと金魚 永井みみ

ミシンと金魚 (集英社文芸単行本) 作者:永井みみ 集英社 Amazon 塾の課題でした。 ミシン中毒者は新聞配達のバイクに乗って < あの女医は外国で泣いた女だ。> む?む? 永井みみ『ミシンと金魚』はいきなりカッコよく始まる。 そして、ラスト、ページをめく…

やさしい猫 中島京子

やさしい猫 作者:中島京子 中央公論新社 Amazon 塾の課題です。 だいじょうばないこの国 中島京子『やさしい猫』は、シングルマザー(ミユキさん)と在留スリランカ人男性(クマさん)の恋愛、結婚を通して、出入国在留管理庁(入管)による恣意的な外国人収…

いかれころ 三国美千子

いかれころ (新潮文庫) 作者:三国 美千子 新潮社 Amazon 塾の課題でした。 好きな小説です。 分家本家往復小説 一般に関西人の抱く河内のイメージといえば、ガラの悪い人たちがだんじり祭りをしてるとこ。三国美智子『いかれころ』はそんな河内のレッテルを…

献灯使 多和田葉子

献灯使 (講談社文庫) 作者:多和田 葉子 講談社 Amazon 塾の課題です。 献灯使、検討ののち拳闘し、見当違いに健闘し 多和田葉子「献灯使」は、言語変換 / 言葉狩りディストピア小説とも言えるかもしれない。 ざっくり近未来。100歳を越えた義郎と曾孫の無名…

園芸家12カ月 カレル・チャペック

園芸家12カ月 (中公文庫) 作者:カレル チャペック 中央公論新社 Amazon 塾の課題です。 自分でもちょっと好きです。 園芸家はミミズの夢をみる 以前住んでいた借家には畳十畳分くらいの、私基準ではけっこう広い庭がつていた。都会育ちで庭というものにほと…

御社のチャラ男 全世界、全人類に片思い

御社のチャラ男 作者:絲山秋子 講談社 Amazon 塾の課題でした。 全世界、全人類に片思い 絲山秋子『御社のチャラ男』はロンド形式で一人称の語り手が次々に入れ替わり、舞台となるジョルジュ食品の社員の面々のキャラクターが多角的に描き出されていく。たと…

金子文子 『何が私をこうさせたか』

何が私をこうさせたか――獄中手記 (岩波文庫) 作者:金子 文子 岩波書店 Amazon 塾の課題でした。 金子文子に祝福を! かつて大映ドラマってやつがテレビの連続ドラマ界の一翼を担っていた。ドロドロのメロドラマで、極悪非道の輩が主人公の薄幸の美少女をこれ…

同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon 塾の課題です。 イリーナは女の顔をしていない、つか、なんなら人間の顔もしていない。 イリーナ。第二次世界大戦中のソ連軍女性狙撃兵の「活躍」を描く逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』において、準…

戦争は女の顔をしていない

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 塾の課題でした。 というか、前回の課題『同志少女よ、敵を撃て』を受けて、わたしが課題にしてほしいと先生に頼んだのでした。 世界のどこかにあたしたち…

「三島由紀夫」とはなにものだったのか

「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫) 作者:橋本治 新潮社 Amazon 紙は人間よりも辛抱づよい、みたいにことをアンネ・フランクが日記の冒頭に書いていた気がする。調べてみたら、書いてますね。 ずいぶん久しぶりのブログだけれども、そして、…