タコカバウータン

えらそうなことを言っていても気が小さいです。褒められて伸びるタイプです。

憲法本

日本国憲法 (小学館アーカイヴス)

 

 

もちもち塾の課題です。

日本国憲法を一度読んでみるのはオススメです。

わたしゃ読んでるんだぜ、って気分になれます。

当たり前だけど。

提出したものは↓

 

理想ですけど、なにか?  

 

 今回課題の憲法本、原則1冊を選んでということでしたが、1冊じゃ誰かさんの鵜呑みになっちゃう、ならない憲法力(!?)は私にはない!ってことで、結局6冊も読んでしまいました。私の憲法力は高まったのか〜???

 

 

憲法の「空語」を充たすために

(2014)

自衛隊の国際貢献は憲法九条で―国連平和維持軍を統括した男の結論

かもがわ出版 2008)

 

国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

ちくまプリマー新書 2016)

 

みんなの9条 (集英社新書)

(2006)

9条どうでしょう (ちくま文庫)

( 2012)

 

 まずはまんま『日本国憲法』。1時間ほどで読めちゃいます。前文は、戦争はいやや、主権在民、世界の平和と幸福、崇高な理想を達成しませうで、内容に何ひとつ文句はありませんが、文体があまり素敵じゃありません。石川淳とかに添削してもらって、もうちょっとカッコよくなっていたらなあ、惜しい。

 続く第1章はいきなり天皇。私、生まれただけでえらい人というのが存在する、って考え方には反対です。なにか人間の基本を損なうと思う。<国民の象徴>って意味不明だし、<国民の総意に基づく>って別に訊かれたこともない。第20条では国及びその機関の宗教活動を禁止しておきつつ、第7条天皇の国事行為10儀式って、どう考えても宗教儀式だ。しかも国事行為! 主権在民民主主義に現人神やめたふり天皇制をぶちこむのは、やはり無理がある。

 そして、無理と言えば一部で無理の声が喧しい9条。憲法本の圧倒的多数が9条本で、読んだのも『憲法』以外は9条本、しかも9条ナイス本。9条ナイス温泉にどっぷり浸かりませう。

 <理想を高く掲げることこそが、憲法の第一義的な役割>(『どうでしょう』小田嶋隆)、<戦争そのものを否定するという迂遠な「理想」を軽蔑するものは、軽蔑されるような「現実」しか作り出すことはできない。>(同書、平川克美)だよなー。いい湯だな〜。

 何より先進国で唯一、70年間軍隊が人を殺していないという、ピカピカの実績! <先進国の中では日本だけが持っている中立もしくは人畜無害な経済大国というイメージ>(『国際貢献は九条で』)を活用して、日本にしかできない国際貢献の形があるという、紛争解決の現場にいた伊勢崎さんの言葉は重い。<先の大戦での占領地や植民地での非道についてはいまだに戦争責任を問われ続けていますけれど、「そんな昔の話を蒸し返すな」と言っている人たちは、「そんな昔」から後七〇年間にわたって「そんな話」が一つとして加算されていない(原文は傍点)という驚くべき実績の前にもう少し居ずまいを正すべきでしょう。>(『空語』)そうだ、これ以上謝る案件増やしてどうする。

 憲法違反じゃないのか自衛隊、に関しては、<ものごとが単純でないと気持ちが悪いというのは「子ども」の生理である。>(『どうでしょう』内田樹)、<うやむやでも不都合がないのだから、それでいい>(『みんなの』橋本治)。白黒つけないカフェオレの知恵か。

 基本理念はクリアーに、現実的な対処はしたたかに。9条廃棄で軍備増強より原発なくすほうがよっぽどテロ対策になるぞと思う、梅雨空に。

 

 別に天皇制批判をするつもりとか全然なかったんですけど(右翼も怖いし)、憲法読んで引っかかるところがそこしかなくて。

「後半は9条ナイス名言集」と先生に言われてしまい、その通りでござる。欲張って消化不良。1冊じゃ誰かさんの鵜呑みになっちゃうって、6冊鵜呑みにしておなかいっぱい。いやはや、9条ナイス温泉に浸かってられるのもいつまでやら。怖いですね。9条どころか、国民に基本的人権なんか無用って政治家のみなさんがガンガン当選してますから。

 『国家を考えてみよう』で橋本治が 言ってるんですけど、民主主義って国民バカじゃないって前提で成り立つ制度なんですよね。しみじみ。