タコカバウータン

えらそうなことを言っていても気が小さいです。褒められて伸びるタイプです。

3年ぶりにバリへ潜りに

海外旅行経験は割と豊富(ほぼ潜りに、だし、ビンボー旅ですが)な方だと思うけど、今回初めて書類大ポカが出発前日に発覚。手の打ちようがなく、でもおそらく大丈夫、の情報はあり。いつになく不安な気持ちで成田に来て、何かあっても航空会社免責の一筆と…

阿武隈共和国独立宣言 村雲司

阿武隈共和国独立宣言 作者:村雲 司 現代書館 Amazon これは↓で紹介されていて読んだのだけれど この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた (河出新書) 作者:高橋源一郎,斎藤美奈子 河出書房新社 Amazon まさか読んで腹が立つとは。その勢いで…

ミシンと金魚 永井みみ

ミシンと金魚 (集英社文芸単行本) 作者:永井みみ 集英社 Amazon 塾の課題でした。 ミシン中毒者は新聞配達のバイクに乗って < あの女医は外国で泣いた女だ。> む?む? 永井みみ『ミシンと金魚』はいきなりカッコよく始まる。 そして、ラスト、ページをめく…

やさしい猫 中島京子

やさしい猫 作者:中島京子 中央公論新社 Amazon 塾の課題です。 だいじょうばないこの国 中島京子『やさしい猫』は、シングルマザー(ミユキさん)と在留スリランカ人男性(クマさん)の恋愛、結婚を通して、出入国在留管理庁(入管)による恣意的な外国人収…

いかれころ 三国美千子

いかれころ (新潮文庫) 作者:三国 美千子 新潮社 Amazon 塾の課題でした。 好きな小説です。 分家本家往復小説 一般に関西人の抱く河内のイメージといえば、ガラの悪い人たちがだんじり祭りをしてるとこ。三国美智子『いかれころ』はそんな河内のレッテルを…

献灯使 多和田葉子

献灯使 (講談社文庫) 作者:多和田 葉子 講談社 Amazon 塾の課題です。 献灯使、検討ののち拳闘し、見当違いに健闘し 多和田葉子「献灯使」は、言語変換 / 言葉狩りディストピア小説とも言えるかもしれない。 ざっくり近未来。100歳を越えた義郎と曾孫の無名…

園芸家12カ月 カレル・チャペック

園芸家12カ月 (中公文庫) 作者:カレル チャペック 中央公論新社 Amazon 塾の課題です。 自分でもちょっと好きです。 園芸家はミミズの夢をみる 以前住んでいた借家には畳十畳分くらいの、私基準ではけっこう広い庭がつていた。都会育ちで庭というものにほと…

御社のチャラ男 全世界、全人類に片思い

御社のチャラ男 作者:絲山秋子 講談社 Amazon 塾の課題でした。 全世界、全人類に片思い 絲山秋子『御社のチャラ男』はロンド形式で一人称の語り手が次々に入れ替わり、舞台となるジョルジュ食品の社員の面々のキャラクターが多角的に描き出されていく。たと…

金子文子 『何が私をこうさせたか』

何が私をこうさせたか――獄中手記 (岩波文庫) 作者:金子 文子 岩波書店 Amazon 塾の課題でした。 金子文子に祝福を! かつて大映ドラマってやつがテレビの連続ドラマ界の一翼を担っていた。ドロドロのメロドラマで、極悪非道の輩が主人公の薄幸の美少女をこれ…

同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon 塾の課題です。 イリーナは女の顔をしていない、つか、なんなら人間の顔もしていない。 イリーナ。第二次世界大戦中のソ連軍女性狙撃兵の「活躍」を描く逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』において、準…

戦争は女の顔をしていない

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 塾の課題でした。 というか、前回の課題『同志少女よ、敵を撃て』を受けて、わたしが課題にしてほしいと先生に頼んだのでした。 世界のどこかにあたしたち…

「三島由紀夫」とはなにものだったのか

「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫) 作者:橋本治 新潮社 Amazon 紙は人間よりも辛抱づよい、みたいにことをアンネ・フランクが日記の冒頭に書いていた気がする。調べてみたら、書いてますね。 ずいぶん久しぶりのブログだけれども、そして、…

コロナ時間

コロナ時間の課題図書 緊急事態宣言が出て、ついにすべての仕事がなくなり、収入もなくなり、目の前に真っ白な1カ月間が広がった。いやはや。 お金がないのはたいへん困るけれども、まあジタバタしてもどうにもならない。仕事の再開を待つしかない。国の給…

バリからの帰国 富士山とお月様

ダイビングのない帰国日は、たいてい朝食メニューの中からナシゴレンを選ぶ。宿のナシゴレンは美味しいし、おなかいっぱいになってもOKだから。しかし、2020年3月11日の朝はなぜかあんまり食欲がなくて、半分ほどしか食べられなかった。 飛行機は16時過ぎ発…

オオモンカエルアンコウの口の中

写真映えしないと言われる黒だけど、私は好きですね。 口はあいているが、肝心の下側が見えん! でも可愛い♡ カエルアンコウ類が大好きで、その孤独な佇まいに見るとつい話しかけてしまう私だが、ねっとり観察しているうち気づいたこと。 ほとんどの個体が口…

ヴァカンスおしまい

3月2日からバリの海に潜り続けたヴァカンスも今日でおしまい。 今回自分で見つけたものでいちばんうれしかったのは、パダンバイ、サンドフィールドの4センチほどのセスジミノウミウシ(上記写真参照)らしきウミウシ。砂地の斜面で目の端に入って、慌てて止…

バリ島蚊取り線香界のニューウェーブ

今回は少しお高いがナチュラルな蚊取り線香を日本で買ってくること能わず。季節はずれでどこにも売ってないし、ネットで買うのでは間に合わなかった。 宿の液体電気式のでいいや。 しかし、おととい、きのうと、虫の攻撃が安眠妨害。液体電気式は効いてない…

バリ島レジ袋一掃

チャンディダサの買い物の基本 = アスリ 去年の今頃チャンディダサに来たときには、アスリがレジ袋をくれなくなっていた。あと、コンビニでアルコール飲料を売れなくなっていた。 今年はアルコールの件はそのままで、コンビニもレジ袋をくれない。 レジ袋が…

バリ緑豆愛

お酒のおつまみ、あて、肴、などなどと言う。それはお酒だけをぐびぐびと飲むのではなく、ちょっと合間に口に入れるもの、お酒の引き立て役。 ところが今回バリに来て、私はどうもそこのところが逆転しているのではないかと思い始めている。 たとえば写真の…

小さなれんげ

ここチャンディダサから沈船で有名なトランベン方面に潜りに行くには、車で1時間ほど。たいていは向こうでランチが出ます。そのランチについてくるのがこの小さなプラスティックのれんげ。使い捨てです。 大きさがわかりやすいように新書本の上に置いてみま…

バリに来ています

3月1日の夜に着いて、もう火曜日なのか。 雨期だけれど、さきほどからこちらに着いて以来初めての雨。 緑が美しい。 相変わらず、ひたすら潜る日々で、チャンディダサはのんびりしています。 というか、ふつか連続、宿の前のビーチから舟が出るという、世に…

GO

塾の課題です。 100%の男の子 金城一紀『GO』は1ページ目で早くも<これは僕の恋愛に関する物語だ>と宣言するけれども、その後随所にムラカミハルキ文体臭をまき散らしながら展開する物語において、いわゆる〝恋愛〟はなんだかなあ、である。猛烈にケンカの…

日常に侵入する自己啓発

塾の課題で選んだ本です。 向上心の行方 前回の講座で『日常に侵入する自己啓発』(牧野智和 勁草書房)が紹介されたとき、サブタイトルの〝生き方・手帳術・片づけ〟にドキッとした。自己啓発本なんて自分とは無縁のくだらないものとして眼中になかったのが…

野火 again

塾の課題です。 とりあえず、神で間に合わせておく 大岡昇平『野火』を最初に読んだときは、兵士失格病人未満と分類された主人公が、軍隊という激烈な抑圧装置からはじき出された、その絶望的状況の中での開放感が印象的だった。しかし、今回再読してみると…

君去りしのち

彼はいったい何回、私にオムライスを作ってくれただろう。あのオムライスが食べたいよ。 いつも楽しそう、と言われて、いえいえ、身に余る不幸なので、と答える。不幸の札をおでこに貼って生きていくわけにもいかない。 あの頃は毎朝、目を開いた瞬間から不…

さざなみのよる

塾の課題です。 木皿泉のドラマはほぼ全部観ているし、ふたりの生活ぶりを描いたドキュメンタリーはとにかくその本だらけのおうちが好きで、5回くらい繰り返し観ている。ので、小説も楽しみだったのだけれども…… 自分で考えていたのより百倍幸せだった ぐっ…

砂の女

塾の課題です。 けっこういけすかん作家のはずだったのに、意外やおもしろかった。 虫採りが虫採られ虫の男 休暇で昆虫採集に出かけた男が失踪し、七年後、妻の申請により死亡の認定を受ける。実はその男は砂漠の村の穴の底で、幾度か脱出に失敗、現状依然砂…

T シャツ追悼

私が「これもういいかな?」と訊くと、彼は「まだまだぁ〜」と答える。ものを捨てるのが苦手な私は誰かの承認が欲しいのだが、彼はなかなかそいつをくれない。自分の服にも、私の服にも。 人生ずっとごちゃごちゃしているから、ミニマリストの本を何冊か読ん…

極夜行 角幡唯介

ノンフィクションについて書くという塾の課題です。 『極夜行』角幡唯介 食べること 食べられること 『極夜行』は探検家、角幡唯介が、太陽の昇らない冬の北極の闇の中を、一頭の犬とともに歩き続ける旅の記録だ。四カ月もの極寒暗黒の旅は人間の精神になに…

ヴァカンスにも体力が必要なのだなあ(回想)

ウミシダに隠れているつもりかな? 可愛い可愛いゼブラバットフィッシュの若魚。幼魚はもっとシマウマっぽいそうですが、わたしはこれくらいが見やすくていいなと。13cmくらいかな。ちなみに成魚になるとただ地味なだけ。 やはり故人の霊が見守ってくれてい…